昔からの遊びの師匠である友人が入院してしまった。
滋賀でビニールハウスをこしらえて農業をやっているが、昔はファッションモデル、熱気球のパイロット、カメラマンなどいろんな事を経験してるから、「百姓をやってる」と言われてもあまりピンと来なかったが、この仕事に変わってからもうずいぶんになる。
一緒に酒を飲んだ時に歩くのも辛そうだったから心配していたが、病状は良くなかったらしい。
入院してすぐに見舞いに行ったが、畑が気になるらしく「今朝も外出許可をもらって水まきに行って来た」などと言う、そんな事をしていたら治るものも治らないからいつでも手伝うから言ってくれと話しておいた。
それから1週間ほど経つのでまた見舞いに行こうかと思っていたら「外出許可を出して、大根の種まきをしたいから手伝ってほしい」とのメールが来た。
朝10時過ぎに出発、病院に11時前についたらもういつでも出れるような感じで待機していた。
さほど寒くなく、しかもビニールハウスの中だから上着を脱いで作業を開始した。

その種を見てビックリ、青い色がついている。
最近の種は着色してあるらしい、消毒した証なのか撒いた状態が分かり易いからなのか、それとも鳥が食べない為なのか、そういえば売っているトウモロコシの種は赤く着色してあったなあ。

家庭菜園は好きでやっていたが、種からまくのは二十日大根しか経験がない、植え方のレクチャーを受けて作業を始めたが、結構足に来る。見かねて何やら道具を運んで来てくれたがその頃には慣れて必要なくなっていた。

予定の畝を終えて、スナップエンドウの収穫へ。

これは入院して出荷出来ないから持って帰ってという事で自分の食べる分だけを摘み取った。
水を撒いてくると言ったまま帰ってこないから様子を見に行くと、白菜を収穫している、タイニーシュシュという生で食べておいしい品種だが、これも私の分と、自分の愛娘たちへの分を袋につめていた。

もう外出時間が切迫しているからと切り上げて病院に帰って来たが、入院していても畑が気になるという、やっぱり百姓魂があるんだなあと、ファッションモデル時代とは違う姿を見たのだった。
来週あたりには手術になるんだろうが、回復を祈るのみだ。