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motorinの気まぐれ日記 TOP  >  2009年03月
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桜咲く...並川画伯の作品展

この時期は油断をすると風邪をひいてしまうのでなかなか冬物のジャンバーを脱ぐことが出来ない。しかし今日はさすがに汗をかくほどの陽気だ。近くの天神川ほとりの桜が見頃を迎えていた。なぜかこの木だけはいつも早い。
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数日前の京都新聞市民欄に並川一郎氏の個展紹介が掲載された。並川氏は私が会社勤めをしていた時分の先輩でデザイナーである。当時写真のセクションがなかったので「開発室」というちょっとクセのあるデザイナーばかりの集団に放りこまれたのだった。優秀な人材ばかりだったけれどもなにせクセのある人間ばかり、しかも上司は反骨精神旺盛な部長級の人でその反骨さ故に次長止まりだったが部下のあだ名を付けるのが見事だった。「はったり一郎」とか「嘘つき義一」等である。その「はったり一郎」が並川一郎氏なのだ。そのあだ名故に私は並河氏の技量を疑っていたきらいがある。
退社後デザイン事務所の傍らなにやら繊細な絵を描いているという話は誰かから聞いたことがあったが今回初めてその作品を拝見することが出来た。実に細かな作業を積み重ねた力作ばかり、しかも全て桜を描いている。特に技法を伺うことはしなかったが、おそらく透過素材の上にペンで緻密な線を描き背面から着色したものだろうと思うがなによりその緻密な線は老眼気味の目では確認できず老眼鏡をお借りしたほどだった。全体は、ほの暗い色調で統一され桜の僅かな色合いを浮き立たせている。1992年春に加藤東一画伯が完成させた金閣寺大書院の障壁画(薄墨桜)を彷彿させてくれた。
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並川氏の作品と共に奥様が作られた市松人形も同時に展示され、見事な作品群の中で桜の時期にぴったりのほんのりとした時間を過ごさせていただいた。
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[ 2009/03/31 15:24 ] 趣味 | TB(0) | CM(0)